日鉄物流株式会社で一等航海士を務める津島健太さん。
船の荷役・航海当直、離着岸作業と船内のリーダーを務め、全国各地の港に積荷を運ぶ内航船に乗船しています。
責任感を強く持ち、海の仕事に真剣に取り組む様子を伺うことができました。
(取材協力:日鉄物流株式会社)
一等航海士は船長に次ぐ統括者として船の管理を行います。船長は最終判断を下しますが、荷物の積み下ろしの確認や貨物の管理、船の整備などに関しての指揮命令は一等航海士が行います。船内業務を幅広く担当する重要な役目を担います。
- 船の荷役・航海当直や離着岸作業においてリーダーを務める
- 交代で当直を務めているので、仕事と休憩のメリハリがある
- 給与面の充実が、仕事の楽しさに直結している
現在の業務内容について教えてください。
荷役当直(主に積付)・航海当直・離着岸作業を行っています。荷物を積む時は、船の前後左右の傾きを調整しながら荷役当直をおこないます。なるべく水平になるように指示しますが経験が必要な難しい業務です。最初は緊張しましたが、今では結構上手に積荷の指示ができるようになったと思います。
仕事上で常に心がけていることはありますか?
船の仕事は24時間体制ですので、休憩時間はしっかり休むようにしてオンとオフのメリハリをつけるようにしています。
また休暇になったら本気で遊ぶ。船に戻ったら仕事のスイッチを入れる。こうした切り替えを常に大切にしています。
この仕事に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
家族や親戚のほとんどが船乗りだったというのも理由の1つですが、19歳の時、やりたいことがみつからず、親の勧めもあって海上技術学校に入学したことが、この仕事に就くきっかけです。学校が思ったより楽しかったこともあり、そのまま船乗りになりました。
仕事のやりがいはどんなところにありますか?
荷役の積付など、うまくできた時は素直に嬉しいです。荷物もただ積めばいいというわけではありません。
適当に積むと、天候が悪い時に船が思うように進まなくなってしまいますので、こだわりをもってやっています。
また、航海中、寄港地で少し休みをもらえる時はすごく嬉しいです。仕事をこなした後に地方で美味しいものを食べると格別です。
仕事で大変だったことはどんなことでしょうか?
航海当直は昼に4時間、夜に4時間の交替制なので、慣れないと体が疲れやすくなります。はじめは、この生活環境に慣れるのに苦労しました。
常に緊張感をもって仕事をしている分、休むことも仕事と考え、休める時にはしっかり休み、次の仕事に備えるようにしています。
仕事上で将来の夢はありますか?
やはり、将来は船長になりたいです。父が地元のフェリーで船長を勤めているのですが、長い間ずっと無事故を続けています。
自分も海の仕事についたことで、あらためて父の凄さを感じることが多く、父が私の目標です。
休暇に関してはどうでしょうか?
3ヶ月乗船して、1ヶ月休暇です。1ヶ月の間は美味しいものを食べたり、旅行に行ったりと気ままに過ごします。
この職業の魅力はどんなところにあるでしょうか?
給与面での待遇が良いのは魅力的です。私は入社1年目で車を購入したのですが、周囲の友人には大変驚かれました。後輩たちを見ていると、結構貯金しているなという印象があります。人によりますが(笑)。
津島さんの仕事を一言で言うとどんなものでしょうか?
物が運べないと経済が回らないと考えると、海運という仕事は日本の経済そのもの、と言えるかもしれません。「自分たちがいないと経済は回らないんだ」という自負と責任感をもって業務にあたっています。
2018年12月に都内某港で取材
PROFILE:
27歳 入社7年目 宮城県出身
一等航海士 津島 健太
日鉄物流株式会社
- 2010年
- 本吉響高等学校卒業
- 2012年
- 国立宮古海上技術短期大学校卒業
- 2012年
- 日鐡物流株式会社入社