船員安全・労働環境取組大賞とは?
国土交通省では、船舶所有者、船員及びその関係者を対象に安全運航や船員の労働災害防止健康管理・労働支援に関する先進的で優良な取組を「船員安全・労働環境取組大賞(トリプルエス大賞)」として選定し、船員災害の防止や働き方改革の推進を目的として、取組を幅広く周知しています。今年度で10年目を迎えます。
本年8月の選考委員会での審査の結果、本年度は株式会社西村組の取組が選定されました。
※大賞の略称を、英語表記(Award for Safety and Smart Environment for Seafarers)の頭文字をとり、「SSS(トリプルエス)」と定めています。
株式会社西村組の取組「作業船ゼロ災害への取り組み」
✔工具の掛ける位置を一目瞭然に!
工具保管場所に各工具のシルエットを書き、そこに工具を納めている。
工具のシルエットを予め書いておくことで、自然と正しい部分に掛けたくなるよう工夫。
どの工具がどこにあるか一目瞭然となり、整然と並んでいると気持ちよく使用することが可能。
✔ヒヤリ・ハットを図示してわかりやすく!
ヒヤリ・ハット事例をわかりやすく図にして、掲示板や甲板上に掲示し、いつでも確認可能。
また、毎日の朝礼や安全教育等でも活用し、同種の災害が発生しないよう作業を行っている。
その効果もあり、労働災害の発生や同類のヒヤリ・ハット報告も「0」。
✔バックホウの死角を写真で掲示して危険を一目瞭然に!
バックホウの運転席からの視界を様々角度から撮影することで、バックホウの運転経験がない人にも死角の多さがイメージしやすいよう工夫。
船の甲板に写真を掲示し、実際にバックホウを見ながら作業員全員に危険性を周知。
✔昇降施設に手すり使用を促す注意喚起を掲示
船上での作業がメインの現場で、昇降設備を上り下りする場面が多いことから、昇降施設付近には「手すりを持って昇降すること。」と注意喚起の掲示を行うとともに、作業員にも適宜手すりを使用するよう周知。
✔作業動画を見ながら日々の打ち合わせを実施
作業状況を動画で撮影し、後から作業員全員で見返すことで、「危険なポイントはないか。」、「現行の作業手順は適切か。」を全員で考えながら確認。
メリットとして、自分の動きだけでなく、他者の動きも確認できることから、他者の動きを参考にすることが可能になることや、未熟練者は机上で説明しても難しいところがあるが、動画で確認することで、熟練度にかかわらず理解の浸透が可能。
✔通路上の段差をペンキで色塗りして注意喚起
作業船内は小さな段差や階段等が多いほか、船倉内は配管などが飛び出している部分もあるため、転倒のリスクが高い空間となっていることから、危険箇所をペンキで色塗りすることで、転倒災害を防止。