海技教育機構の練習船 帆船「海王丸」
日本最大級の船員養成機関である海技教育機構。通称JMETS。
ここでは、練習船を使用して実際に航海しながら船員の業務を学ぶ、乗船実習を行っています。
今回は、練習船「海王丸」へ特別にお邪魔し船内の様子を撮影するとともに、船員さんへのインタビューを行いました!
大きな船を操縦する航海士
今回インタビューしたのは、海王丸の三等航海士である野村さん。
海王丸の航海士になる前は、JMETSの乗船実習を経験された一人です。
野村さんの案内のもと海王丸の船内をまわる様子はこちら👇
Q.自己紹介をお願いします!
野村 泰寿(のむら やすとし)といいます。
海王丸では三席三等航海士をしております。
船の上においては、船橋(せんきょう)配置として、日々船務を行っております。
航海中においては、昼及び夜の0時から4時まで当直として働いています。
船の中においては、清水管理であったり、航海計器の整備を担当をしております。
Q.海王丸とはどのような船ですか?
将来の船乗りを養成するための帆船で、全長は110メートル、総トン数は2556トン、高さは水面から50mあります。
実習生を100名以上乗せて訓練航海をおこなっています。
Q.この船ではどのような学生が実習に来るのですか?
海王丸では、東京海洋大学や神戸大学といった商船系大学、商船系高等専門学校のほか、JMETSの海上技術学校、海上技術短期大学校、海技大学校の生徒・学生が乗船します。
Q.学生時代、JMETSの練習船で実習されたと伺いました。学生時代の実習で印象に残っていることはありますか?
JMETSの練習船実習で印象に残っていることは、スターサイト(星測)です。
船は運航するうえで自船の位置を把握することが非常に重要です。
自船の位置を把握する方法としては、灯台・山の方位や距離を測ること、またGPSを使って自船の位置を求める方法があります。
しかし物標の方位や距離を測れない時であったり、GPSが壊れてしまったというときには、自船の位置を求めることが出来ません。
そのような場合に使うのがスターサイトです。
スターサイトではこの六分儀というものを使用します。
六分儀を用いて星の高度を測り、星の高度から自船の位置を測定することが出来ます。
私はこの海王丸でスターサイトをおこない、自船の位置を測る実習を行ってきました。
自船の位置を測ることの難しさであったり、実際に計算を行う難しさが、非常に印象に残っています。
Q.学生時代の実習を経て、今の船員生活に役に立っていることを教えてください。
ほとんどすべてが役立っていると思います。
特に役立っている点としては、見張りであったり操船といった、船員としての技術面、また実習生との接し方、指導方法といった、教務面が役立っていると思います。
船員やJMETSに興味のある人へ一言、そしてこれから実習に来る学生たちへ一言お願いします!
~船員やJMETSに興味のある人へ~
船は日本の貿易の約99%以上を担っています。将来、日本の貿易を担いたいという人たちを、我々JMETSは待っています。
~これから実習に来る学生たちへ~
安全に、かつ充実した実習及び船内生活が行えるよう、万全な準備を行っています。やる気と情熱を持った実習生の乗船を心から待っています。
多くの実習生を送り出してきた海王丸
今回は海王丸へ取材し、船員さんへのインタビューを行いました!
海王丸のことからJMETS乗船実習の経験談まで、貴重なお話を伺うことが出来ました。
野村さんにご案内いただきながら船内へお邪魔した記事もぜひご覧ください。
船員を目指す実習生のみなさんを応援しています!